子ども食堂に使用する 「しらしょう」 の食事スペース

 昨年3月末で閉校となった由良町大引の旧白崎小学校を活用して食堂を運営している一般社団法人紀州の環(中初美代表)は、新たな取り組みとして子ども食堂をスタートする。今月26日に第1回を行い、その後毎月1回開設。「子どもたちの居場所にしてもらうとともに近所のお年寄りにも来てもらい、交流の場にもなれば」と話している。

 子ども食堂とは、子どもや地域住民らに無料や低額で食事を提供する場所で、地元大引区自治会の協力を受けて開設。料金は中学生以下が無料、70歳以上が100円、ほかが300円。場所は食堂「しらしょう」のスペースを使い、第1回のメニューは未定だが、バイキング形式での提供を検討している。今回は紀州の環が食材を調達し、食堂の従業員が調理していくが、今後は食材提供や調理などで協力者を募っていく。

 紀州の環では「核家族化が進み、両親が忙しい子どもたちの居場所になってもらうとともに、一人暮らしのお年寄りの方にも来てもらい、世代を超えた交流の場になれば」と話し、町内全域にチラシを配布し呼びかけている。町外でも参加でき、26日は午前11時から午後2時までで、食堂も営業するが子ども食堂を優先。今後は子ども食堂用のスペースを設けることなどを含め、取り組みを進めながらさまざまな検討を進めていく。今年3月末現在、日高地方の子ども食堂は御坊市に3カ所、美浜町に1カ所(休止中)、みなべ町に1カ所ある。

 4月2日にオープンした食堂「しらしょう」は徐々に知名度が上がり、来店客も少しずつ増加。観光客、地元住民ともに来店しており、特に同校の卒業生が来店し懐かしむ姿が見られるという。メニューでは、観光客からは刺し身やマグロカツなど魚介メニューが人気となっている。