文部科学省が25日公表した平成26年度全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果で、和歌山県は公立の小学校、中学校ともにすべての科目で平均正答率が全国平均を下回った。小学校の国語A(基礎知識)については、都道府県順位が前年より19ランクダウンの最下位。仁坂吉伸知事は「ちょっとがっかりだが、(結果を)公表して脅すようなやり方よりも、現場の末端まで行き届いた教育行政が大事」とし、教師の授業の改善が重要との認識を示した。
 学力テストはことし4月、小学校6年生と中学3年生全員を対象に行われ、小学校は国語と算数、中学校は国語と数学で、それぞれ主に基礎知識に関する問題のA、思考力や表現力の応用力を問うBに分けて実施。結果、県内の平均正答率は小学校の国語Aが69.4%、国語Bが53.4%、算数Aが76.8%、算数Bが55.7%。中学校は国語Aが77.4%、国語Bが47.5%、数学Aが65.9%、数学Bが56.8%。都道府県別順位をみると、小学校の国語Aが最下位だったのをはじめ、同国語Bが42位、同算数Bが44位、中学校国語Bが45位、同数学Bが41位など、小中8科目のうち7科目が40位台。最もよかった中学校数学Aも37位だった。
 仁坂知事は26日、「学力向上のためには、(大阪市長の)橋下さんや某県の知事は市町村ごと、学校ごとに結果を公表すべきというが、公表して脅かすだけではあまりに知恵がなさすぎる。私も公表に反対ではないが、無理に公表しろというつもりはない」とし、今後については「どの先生がどういう指導をし、結果はどうだったかを、現場の先生ごとに把握しなければならない。その結果に問題があればみんなで改善していく、そんな末端まで行き届いた教育行政が必要ではないか」と述べた。
 県教委学校指導課は「全国最下位となった小学校の国語Aでは、『五十歩百歩』『百聞は一見にしかず』の故事成語の正しい使い方を選ぶ問題で、正答率が全国平均を大きく下回った。全体の教育の方向性は間違っていないとは思うが、児童生徒にまで浸透していないところに(県教委としての)詰めの甘さがあったと思う。今回の結果を詳しく分析し、学力向上に取り組んでいきたい」と話している。