再興第99回日本美術院展で、日高町小坂、日本画家で日本美術院院友の鈴木薫さん(64)の作品「閉店前」が見事入選した。鈴木さんの入選は春秋の院展で9回連続9回目。
 作品は130号(162×194㌢)の大きさで、大阪市内にある百貨店の店内がモチーフ。今回はホールからエレベーターの乗り口、エスカレーター、レディースショップなどをとらえ、人物を描くことにも初挑戦した。エレベーターの乗り口付近には帰りを急ぐ人物の映りこみを表現するなど細部まで丁寧に仕上げ、落ち着いたセピア色を基調にして閉店前の雰囲気を表現。現場に何度も通い、3カ月以上かけて作品を完成させた。
 鈴木さんは「厳しい世界ですが、これからも日本画の裾野を広げられるように頑張っていきたい」と喜びを表している。
 日本美術院は故平山郁夫氏らを輩出した歴史ある日本画壇。再興第99回院展は全国13カ所で開かれる。主な日程は、東京展が9月2日から15日まで東京都美術館。京都展は9月19日から10月5日まで京都市美術館、大阪展は10月8日から14日まで大阪市・大丸心斎橋店となっている。