連休後半、京都へでも行こうと車で出かけたが、途中で急きょ、予定を変え、和歌山ICから紀の川市、橋本市を抜けて奈良県へ。急ピッチで和歌山市へと伸びつつある京奈和道路に国体効果を実感し、神武天皇がまつられている橿原神宮や蘇我馬子の墓といわれる明日香村の石舞台古墳を回り、神話の時代からの古都の歴史に触れてきた。
 再来年のNHKの大河ドラマが真田幸村の生涯を描く「真田丸」に決まった。真田幸村といえば、関ヶ原の戦いで父昌幸とともに豊臣側につき、敗れたあとに高野山での蟄居(ちっきょ)を命じられ、九度山に移り住んだことで和歌山にゆかりがある。知事も「ちょうどいい」と喜んだように、和歌山の観光にとっては来年の高野山開創1200年、国体に続くタイムリーな後押しとなる。
 高野山に熊野三山、熊野古道、和歌山城など、和歌山県は奈良や京都に劣らず、歴史観光の見どころは多い。ブームの戦国時代も大河ドラマになる真田幸村、信長を震え上がらせたという雑賀衆があり、この日高地方にも亀山城の湯川氏(御坊市)、手取城の玉置氏(日高川町)など、秀吉の紀州攻めまで力を誇った領主がいた。これについては現在、県立博物館で開催中の特別展「きのくにの城と館~紀中の戦国史」が開かれている。
 ブームというのは恐ろしいもので、終わった瞬間、右肩上がりの人気のグラフが左にえぐるように急降下する。しばらくすれば「ダサい」「口にするのも恥ずかしい」となり、だれも見向きもしなくなるのが常だが、大河ドラマで周回遅れの和歌山がつかのまのトップランナーとなれるかも。「真田丸」の主演は堺雅人が有力とか。平清盛、黒田官兵衛の倍返しのスージ(視聴率)となるか。   (静)