御坊市塩屋町南塩屋の県農業大学校就農支援センターで12日、技術修得研修の開講式が行われ、イチゴの育苗管理で5カ月間の研修がスタートした。同センターは開設から10年が過ぎ、これまでこの研修を受けた325人のうち72%の233人が県内で就農。今回は脱サラIターン、離職Uターンなどの男女6人で、それぞれの営農ビジョンを胸に、新規、本格就農への第一歩を踏み出した。
 就農支援センターでは農業に興味がある人を対象とした農業体験研修、週末ごとに3カ月間、農業の基礎を学ぶウイークエンド農業塾、5カ月にわたり延べ25日間の技術修得研修など4つの研修コースがあり、今回は技術修得研修の本年度第1班として、30歳から60歳までの6人が参加した。
 開講式では、大江吉人所長が「皆さんの住んでおられる地域はいずれも、若い方の就農者が少なく、それだけに皆さんにかかる地域全体としての期待も大きい。これから暑い夏場にかけて5カ月間の研修が続くが、なるべく早い段階で自分のビジョンをしっかり固め、修了式で計画を発表してほしい」とあいさつ。終了後にはオリエンテーションと研修ほ場の見学などがあり、午後からは1回目の実習としてハウス内でイチゴの苗作りを行った。
 日高川町若野の森幹也さん(30)は以前、滋賀県の琵琶湖でブラックバスのフィッシングガイドをしていたが、事情があって、実家のミカン農家を継ぐためにUターン。「いまは母と2人でミカンやハッサクを作っていますが、私自身はまだ知識も技術も不足していますので、この研修で身につけたことを生かせればと思い、参加しました」と話していた。