最近、何かと予定が多い。数年前まではスケジュール帳に予定を記していたが、ここ何年かは携帯電話やスマートフォンを活用。手帳よりも確実に身につけているので、いつでもすぐに登録したりチェックすることができる。唯一、電話中に予定をチェックしづらいのが問題だ。とにかく、すべての予定をスマホ頼りにしているせいか、自分ではほとんど覚えていない。このまま記憶力が低下し続けないか心配だ。そんな中、先日日高高校附属中学校の出前授業で、京都ノートルダム女子大学の松島るみ准教授から「記憶力を高めるために」の講義を取材した。
 松島准教授は「人に話すこと」と覚えようとすることを「意味付ける」などの記憶法を紹介。実験として絵を14枚用意。2枚1組にし、1組数秒ずつ生徒に見せたあと、片方の絵を出しペアになっていたのはどんな絵かを尋ねた。絵はほとんど落書きのような意味のない絵で、丸暗記しようとしてもなかなか覚えられない。続いて2回目の実験では別の14枚の絵を用意。1回目と同じような意味のない絵だったが、今度は無理やり意味をつけた説明文を添えていた。筆者も試してみたが、意味付けることで覚えようとせずとも自然と頭に入ってきて、ペアの絵がすぐに思い出せた。工夫ひとつで記憶に大きな差が出ることを実感できた。
 考えてみれば語呂合わせや電話番号など、昔から覚えていることは何らかの意味づけをしているように思う。勉強でいろいろ覚えることが多い中学生はもちろんだが、社会人にも記憶力は大事。忘れてはいけないことは「何々だからする必要がある」など意味付けたり、人に話すよう心がけよう。 (城)