御坊市は19日、第4次総合計画前期事業計画に基づく実施計画(平成26年度から28年度末)を発表した。防災、福祉、建設、教育関係などの85事業(新規21、継続64)があり、うち新規の主な事業としては商店街活性化に向けた空き店舗活用の家賃と改修費補助、地元各種団体から強い要望が出されていたJR御坊駅のバリアフリー化を盛り込んだ。
 空き店舗の家賃と改修費補助は、高齢化や後継者不足で年々増える空き店舗を活用して商売を始める起業家を支援するのが目的で、26年度からスタートする。補助率は家賃月額に対して2分の1で、上限3万円、1年間の限定。改修費は2分の1で、上限は20万円、1回限り。補助希望者は、会議所や商店街でつくる審査会のような組織で審査を受け、その組織から御坊市に推薦される流れになる。現在、商店街では貸してもOKという店舗が10店程度あり、担当課は「補助制度が起業を目指す人たちの呼び水となり、商店街の活性化につながれば」と期待している。同様の制度はすでに県内で和歌山、海南、田辺、新宮市で導入されている。
 一方、JR御坊駅バリアフリー化については、昨年9月に商店街や御坊商工会議所、各種団体が1万2926人分の署名を添えて御坊市に要望しており、柏木征夫市長も前向き姿勢。先月21日には県内24市町でつくる紀勢本線活性化促進協議会(会長・真砂充敏会長)の要望活動の中で、JR西日本和歌山支社の半田真一支社長も「駅のバリアフリー化は箕島が工事中、勝浦が設計中となっており、次は御坊に取り掛かりたい」と約束した。バリアフリー化ではエレベーターの設置やプラットホームのかさ上げなどが必要で、予算は約3億円が見込まれる。JRと国が3分の1ずつを負担して、残りの3分の1を県と市が負担。市の持ち出しは約5000万円で、かねて柏木市長は予算負担にも前向き。実施時期については事業主体のJRしだいとなっているが、平成27年の紀の国わかやま国体までの整備を望む声が高まっている。
 このほか、新規のうち地震発生に伴うため池決壊時のハザードマップ作成、ロマンシティなどへの防犯カメラ設置、シルバー交通大学開校、市内全域の市道舗装修繕など10事業については、実施計画期間の26年度から28年度の間に行う。庁舎建設と防災行政無線放送施設固定系デジタル化の2事業は、昨年の実施計画に引き続き新規事業として盛り込まれたが、実施時期は未定。防災拠点施設の整備や学校エアコン整備事業など残りの新規7事業は、平成29年度に終了する湯川中学校改築事業で多額の予算が必要となるため、財源の状況を見ながら実施時期を決める条件付きでの採択となった。
 継続事業では本年度からスタートして大人気となった住宅用LED電球等購入費補助、第3子以降子育て支援の学校給食費無料化など。また、湯川中学校改築事業は本年度で現地の遺跡調査が終了するため、いよいよ来年度から本格的に建設工事に着手する。実施計画は3年先を見越して毎年見直している。