東日本大震災で被災した福島県新地町が建設を進めている防災緑地(都市公園)に「みなべの里」エリアを設け、梅の木を植樹する計画があることが分かった。10日にみなべ町役場で開かれた防災の職員研修で、講師を務めた同町復興推進課の鴇田(ときた)芳文課長が明らかにした。両町は、平成24年度からみなべ町職員が復興支援で新地町に派遣されたことがきっかけで交流が深まり、25日に締結する相互応援防災協定を記念して梅林区画を設けるという。
 防災緑地は、津波により被災した沿岸部で集落などの再建が困難な場所に建設される。国の復興支援金で新地町が買い取った土地。同町によると、防災機能を確保しながらスポーツやレクリエーション、地域活動などに利用できる自然豊かな緑地づくりを目指す。全体の広さは16・9㌶で、本年度末までに計画をまとめ来年度から着工。28年度までの3年間で仕上げる。計画では「みなべの里」エリアは約3000平方㍍で、両町の交流のシンボルとして梅の木を植樹するという。
 平成23年3月11日の震災発生後、24年度からみなべ町建設課係長、越本進男さん(42)が新地町に派遣されて復興事業に携わっていることから両町の交流が始まり、昨年はみなべ町の消防団が2グループに分かれて被災地の視察を行ったこともあった。今月25日には小谷芳正町長が新地町を訪れ、大規模災害発生時に人的派遣を行うことなどを盛り込んだ相互応援防災協定を締結する。