先日の由良町議会と由良中学校生徒12人の座談会では、中学生側からふるさとの現状、今後についてさまざまな意見が出された。教育、文化では「公民館や白崎会館の本充実」「クラブ活動で他校と合同練習や合宿ができるように支援」。環境整備では「携帯の通信環境改善」「JR紀伊由良駅周辺の歩行者用道路拡幅」、福祉では「高齢者のために段差解消」、産業では「大型店の誘致」等々。将来に向けては「働く場がほしい」「きれいな自然を守ってほしい」との声も聞かれ、議員たちは熱心にメモを取るなどして議会活動の参考にしていた。
 座談会は、19年ぶりの開催。今回は今月下旬発行予定の議会広報第100号を記念して、議会が紙面掲載用に企画した。中学生たちの考え、思いを町民に紹介するのが主催者側の目的だが、中学生たちにはあらためて「ふるさと」を見つめ直す機会になったのではないか。行政と議会の役割に少しでもふれられたことで、政治に興味を持つきっかけにもなったことだろう。
 由良町は日高地方の中でも特に人口減少が激しい。中学生たちはせっかく地域の現状について知る機会を得たのだから、ただ単に「大型店がほしい」「働く場所を増やして」などと要望するだけで終わってしまうのはもったいない気がする。「大型店が必要になったのはなぜか、本当に必要なのか」、「働く場所が減ってきたのは何が原因か、増やすためにはどうすればいいのか」。これを機会に自分たちでもう一歩踏み込んで考え、さらに行動に移していくという意識も持ってもらえればと願う。由良町の未来を担うのは間違いなくあなたたち。町づくりのリーダーへ成長を期待している。  (賀)