全国各地で大きな被害をもたらした大型の台風18号は、15日から16日にかけて和歌山県に接近し、日高地方にも長時間にわたって激しい雨をもたらした。幸いケガ人など人的被害や床上浸水などはなかったが、JRきのくに線は2日間で上下線合わせて70本に影響、高速道路や由良町の国道42号、御坊市や美浜町の県道も冠水等による通行止めが相次ぎ、交通機能に大きな影響が出た。
 和歌山地方気象台によると、台風の接近に伴い、日高川町の川辺観測所で14日午後9時の降り始めから16日夕方までの総雨量は371・5㍉を観測。9月の1カ月平均雨量(205・2㍉)を大きく上回る雨がわずか2日足らずで降った。
 15日昼、串本町内で発生した突風の影響もあり、JRきのくに線は一部運休を含め、16日午前11時20分に運転を再開するまで上下線合わせて70本(うち特急列車22本)が取りやめるなどし、約6500人の足に影響が出た。高速道路も積算雨量が規制値を超えたため、15日午後5時15分に御坊―南紀田辺間が通行止めとなったのをはじめ、16日朝には岸和田―南紀田辺間がストップ。解除されたのは同日午後2時だった。迂回(うかい)路となる国道42号も由良町から広川町にかけての水越峠が通行止めとなり、日高町原谷などさらに迂回を余儀なくされた。御坊市藤田町吉田から藤井にかけての県道日高印南線は堂閉川の増水で冠水し15日午後2時55分から通行止め、日高町荊木から御坊市湯川町富安地内の国道42号も冠水によって片側通行となった。御坊市湯川町丸山から美浜町和田にかけては東裏川などが増水し、田んぼは一面池となり、県道御坊由良線も冠水。また、美浜町では田井から和田西地区までの町道(農免道路)が冠水し、周辺の住宅では水洗トイレが使用できなくなり、町は旧みはま幼稚園と和田小学校のトイレを開放、利用を呼びかけるなど対応した。