過去最も暑かった夏が終わりようやく涼しくなってきたが、全国では天変地異とでもいうような自然災害が相次いでいる。ことしほど雨による被害が出た年はないのではないかと感じるほど、連日のように各地で猛威を振るっている。かと思うと今度は竜巻。ロート状の雲が木をなぎ倒し、家の屋根などを巻き上げる映像を見ていると、ここは本当に日本なのかと思ってしまう。竜巻はアメリカなど外国で起こるのが一般的だと思っていたが、実はそうではないらしい。日本でも過去5年間平均で年間20個以上が発生しているという。季節や地域を問わずどこでも発生する可能性があるということをまずは頭に入れておきたい。
 竜巻とみられる突風は、日高地方でも発生しており、これまで2度取材したことがある。被害を受けたのはいずれも印南町。津井地区で立ち並ぶ多くの農業用ハウスが猛烈な風で押しつぶされたのと、2度目は津井から山口にかけて、家の瓦や壁が飛ばされ、倉庫代わりにしていたトラックの荷台だったコンテナも吹き飛ばされていたのをいまでもはっきり覚えている。いずれも竜巻かダウンバーストか断定はされなかったが、体験者の話から、まさに一瞬、何が起こったのかと思った直後、このような有様だったという。
 竜巻、台風、地震、豪雨、もはや絶対に安全といえる場所はない。災害列島で自分の命を守るにはどうすればいいのか。竜巻なら頑丈な建物に入ることや前兆現象を知ることがいわれている。災害に対して知識を深め、誰かに助けてもらうのではなく、結局は危険を察知する感覚を研ぎ澄ますことに尽きるだろう。 (片)