農業の活性化につなげようと、みなべ町農業振興協議会は町内のグループを対象に新たな事業を公募し、3団体の取り組みに対して助成することを決めた。婚活の企画、インターネットを活用した情報発信技術のスキルアップ、大学との交流を通じた農産物のPR、地元食材を使った食育が取り上げられた。助成総額50万円。町の予算からみると少ない額だが、いままでになかった発想もあり、うまくいけば大きな費用対効果が期待される。
 助成を受ける団体は、「みなべを元気にしよら~」(松下恭子代表)、「コラボキッチン」(坂本国之代表)、「mamas cafe(ママズ・カフェ)」(宮本とも子代表)で、いずれも住民の有志で結成しているグループ。応募事業はその団体自体に利益が発生するのではなく、「町のために」というボランティア的な取り組みだ。今回の公募がなければ、各団体で費用を負担していたか、それとも事業そのものをやめざるを得なかったかのどちらかである。こうした活動に対しては、もっと助成制度を充実させるべきではなかろうか。農業以外でも町の活性化に取り組む活動経費の負担を軽減させるような行政の支援があれば地域おこしが活発化する。
 先日、みなべ町でわかやまNPO法人センターの志場久起理事が「安心して暮らせるみなべ町にするために」をテーマに講演し、「今後は全国的に人口が減少する。それに伴って行政の財源も減るため、地域づくりには住民が協力し合うことが重要になる」と訴えた。日高地方の自治体も将来の人口減は例外でない。地域の大きな力となる住民の活動を助けることは、将来の備えといえる。
        (雄)