文部科学省が27日公表した平成25年度全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)結果で、和歌山県は小学生が国語、算数とも改善傾向がみられたものの、中学生は国語、数学とも平均正答率が全国平均を下回り、さらにその差は前年度より拡大。とくに中学生の国語の応用問題は都道府県のランキングでも45位と低迷しており、県教委は文科省から学力調査官を招き、中学校国語教科主任らを対象とした研修会を開くことなどを決めた。
 本年度の学力テストは4月24日、県内の全公立小学校の6年生と中学校3年生、特別支援学校(小学部6年生と中学部3年生)を対象に、4年ぶりに全員参加方式で実施。教科は国語と算数・数学で、いずれも主に基礎的な知識に関する問題(A)と主に応用に関する問題(B)に分けて出題された。
 結果、県内の平均正答率は小学生の国語Aが62・4%、国語Bが47・5%、算数Aが76・4%、算数Bが56・9%。中学生は国語Aが74・4%、国語Bが64・3%、数学Aが63・4%、数学Bが40・3%だった。これを全国平均と比較すると、小中学生ともすべて全国平均には届かなかったが、小学生は算数Aを除いて前年度より全国平均との差が縮小。しかし、中学生は国語、数学ともすべての調査で前年度より全国平均との差が広がり、とくに読解力や表現力、思考力を問う国語Bは全国との差が前年度の1・6㌽から3・1㌽と大きく広がった。
 都道府県別の各調査結果のランキングは、小学生の国語Aが29位、国語Bが37位、算数Aが31位、算数Bが33位。中学生の国語Aが44位、国語Bが45位、数学Aが24位、数学Bが31位。小中学校とも依然として応用問題に課題が残る結果となり、県教委はこれまで進めてきた学力向上推進校の指定、放課後や長期休暇中の補充学習、教員向けの学習指導マニュアルの作成、児童生徒向けの家庭学習マニュアルの配布などに加え、本年度は12月に5年ぶりとなる学習到達度調査を実施する。また、中学生の国語に関しては、文部科学省から学力調査官を招き、各校の教科主任らを対象とした研修会を11月ごろに開くという。