みなべ町は、近い将来発生が懸念されている南海地震や、ここ数年激増している集中豪雨などに備え、避難所運営マニュアルを作成した。例えば体育館なら、どのように居住スペースを配置するかなど具体的に示しているほか、避難者の健康や心のケア、ゴミの収集、ペットの取り扱いなど細かい部分にまで突っ込んで、どのような対応が必要か記している。大まかに目を通したが、今後非常に役立つだろうと感じた。町担当者がいう通り、広範囲な災害では現実問題として避難所は住民自らが運営していかなければならない。マニュアルができても、住民にどこまで浸透し、スムーズに活用できるかが今後の大きな課題になろう。
 東日本大震災をはじめ、過去の巨大地震でも避難所生活での健康被害はたびたび報道されてきた。薬がなく持病が悪化してしまう、車が津波で流されたため通院もできず避難所から動けない、救援物資としてパンが配布されたがアレルギーがあるため食べられない、プライバシーが守られずストレスがたまる。数え上げれば切りがないし、いずれも命にかかわってくる問題。災害から逃げ切るのが大前提で、これまで訓練といえば避難が中心だったが、今後は避難所生活を想定した訓練も必要になってくる。体育館で実際に寝泊まりしてみるのもいいかもしれない。訓練への参加者確保が難しい中、工夫が求められる。
 いずれにしても最も大事なのはリーダーシップを取る人の育成だ。マニュアルを作成するにとどまらず、自主防災組織らを対象に、避難所運営コーディネーター講座を開くなどして住民を専門家に養成する取り組みも進めてほしい。 (片)