夏の全国高校野球大会が8日に阪神甲子園球場で開幕。各都道府県予選を勝ち抜いた49校の熱戦が始まった。県代表の箕島が初日に登場し、山梨県代表の日川と対戦。箕島は2―4で惜しくも敗れたが、随所にいいプレーがあり、高校生らしいいい試合だったと思う。
 夏の大会にはことしが第95回大会と長い歴史があり、その中には名勝負と呼ばれる試合も数多い。オールドファンの筆者が最も印象に残っている試合はやはり昭和54年に行われた箕島と星稜の対戦。小学6年の時で、家族と一緒に画面を食い入るように見入り、一喜一憂しながら声援を送ったのをいまでも鮮明に覚えている。
 その試合は9回が終わっても1―1で勝負がつかずに延長に突入。先攻の星稜が12回に1点を入れた。その裏、箕島は簡単に2死となったが、土壇場で本塁打を放って同点。さらに16回の表に星稜が1点を入れ、再び1点のビハインドとなり、その裏も箕島の攻撃は2死となった。続く打者がファールフライを打ち上げ、万事休すと思いきや相手の1塁手が人工芝の切れ目で足をとられて転倒。命拾いしたあとにまたもや本塁打を放って同点に追いついた。決着がつかなければ再試合となる18回裏に箕島が1死1・2塁から適時打を打ち、サヨナラ勝ち。3時間50分にも及ぶ死闘に終止符を打った。この大会は箕島が優勝、春夏連覇を達成した。
 高校野球は勝ち負けだけでははかり知ることができない感動がある。ことしの大会もまだ始まったばかり。日高地方出身の選手も出場している。はつらつとしたプレーで、地元ファンを喜ばせてもらいたい。  (雄)