今月1日、市内下川河川改修に伴う御薗橋(通称・茶免橋)架け替えの竣工式が行われた。こんなことを言うとあれだが、長さ7㍍という短い橋だからちょっとした式典かと思っていたが、なかなかどうして。地元住民、市、県工事関係者ら70人が出席して3世代夫婦の渡り初めも行われるなど立派な式典となった。これは長年、茶免橋が地域住民に親しまれてきたこと、そして大雨時の増水対策という下川改修事業への大きな期待が形になって表れたのだと思う。
 下川河川改修についてはかねて地元住民ら対策委員会が推進。地権者との話し合いなどでも尽力してきた経緯がある。また、ここ数年はゲリラ豪雨に伴う増水で付近民家の浸水被害が深刻化しており、さらに早期改修を望む声が強まっていた。今回、県が河川改修の事業化をしたのは、茶免橋から下流の徳太夫橋まで延長90㍍区間。3億円を投入して河川幅を広げ、水の流れをよくする工事で、完成は26年度末を予定している。特にこの区間だけが細く、氾濫することが多いため、ネックを解消する意味での河川改修となっている。
 ただ、下川の増水対策はこの区間だけが完成して終わりではない。もともと上流や下流でも河川幅が広いとはいえず、関係者によると今後想定外の大雨でも降れば被害が出る恐れは十分にあるという。ならば今回の茶免橋は竣工式だったが、今後のさらなる河川改修の推進に向けたスタートを切る式典だったと言ってもいいかもしれない。厳しい財政状況の中だが、事業主体となる県には、地域住民の思いと期待を十分に理解して、河川改修が一層進むよう努力していただきたい。 (吉)