知事と30市町村のトップが一堂に会する全県市町村長会議が17日、 和歌山市内で開かれ、 本年度の新政策や防災などについて意見を交換した。 県の新たな浸水想定の公表を受け、 各市町村で対策が進んでいる地震・津波等の防災に関しては、 美浜の森下誠史町長が自治体の枠を超えた広域的な訓練や応援体制づくりを仁坂吉伸知事に提案。 印南の日裏勝己町長は、 国の地方債制度の継続や県の財政支援を強く要望した。
 防災に関して、 県は木村雅人危機管理監が3月に発表した南海トラフ巨大地震と3連動地震の津波浸水想定を基に、 県としての市町村に対する支援、 新たな取り組みなどを説明。 美浜の森下町長は 「東日本大震災の教訓を生かすためにも、 各市町村と自衛隊や警察、 消防との合同訓練、 情報共有などより緊密な連携が必要」 とし、 行政区域を超えた防災訓練、 広域的な応援体制づくりを提案した。 これに対して仁坂知事は 「まったく同感であり、 そのように取り組んでいきたい。 ただ、 (大地震の際の) 応援体制については、 県内市町村の相互応援は難しく、 自衛隊や県の機動部隊の投入とともに、 (地震の影響がない) 遠くの自治体との相互応援協定などを進めたい」 と答えた。
 また、 巨大地震と津波に備え、 役場の高台移転を計画している印南の日裏町長は、 浸水想定から災害時の活動拠点となる役場の高台移転が必要で、 現在は避難路整備を優先しながら移転先の検討を進めていることを説明。 そのうえで、 「当町だけでなく、 すべての市町村にとって手厚い財政措置である緊急防災・減災対策事業債の26年度以降の継続、 新たな補助制度の創設を強く国に働きかけていただきたい」 とし、 県に対しても財政支援を要望した。 仁坂知事は 「緊急防災・減災事業については保育所や老健施設など対象の拡大もあわせて国に存続を要望しており、 来年度もおそらく継続されると思う。 しかし、 のんびり構えてはいられず、 各市町村とも必要なものは早く決断、 行動することが大切」 と考えを示した。