御坊市外5ケ町 (日高) 病院経営事務組合議会の定例会が6日にあり、 予算審議に関連して事務局から懸案の赤字経営や職場環境改善に向けた新年度の取り組みで報告があった。 それによると、 病院外部から経営に関するアドバイスを受けるため専門家で組織する第三者委員会の設立、 看護師や医師の人員確保を図るため給料面の待遇改善などを行う。 地域の拠点病院として一層安心、 安全の医療提供へ大幅な経営方針転換となる。
 同病院は23年度決算でみると収支が約1億6000万円のマイナスで、 累積赤字は約13億円にのぼるなど慢性的な赤字経営が続いており、 昨年8月、 総務省から地方公営企業等経営アドバイザーの派遣を受けてさまざまな改善策で提案を受けた。 それに基づき新年度の取り組みを決めた。
 第三者委員会については経営コンサルタントなど専門家3~5人で組織してことし5月にも設立。 これまで病院内部で検討されてきた経営方針にメスを入れる。 全国的にも公立病院は経営実態が公開されない傾向にあるという批判が出ており、 他の病院でも同様の委員会の設立が増えている。 職場環境の改善では、 看護師や放射線技師らを対象に、 以前働いていた病院での勤務年数も給料に反映される 「前歴換算」 の率を見直し。 私立病院から日高病院に移ってきた場合、 前歴換算率が現行で50%となっているのを100%に引き上げる (公立病院からは現行の100%を継続)。 また、 認定看護師などの資格を取得する際に数カ月間の研修にかかる旅費や宿泊費をほぼ全額負担する。 さらに医師については人事評価制度を導入して、 年功序列の給料体系を見直し。 仕事内容、 病院への貢献度をもとにボーナスを上乗せすることも考えている。 こういった給料面での待遇改善に伴い厳しい赤字経営の中で人件費が増えることになる。 しかし、 現在は看護師不足のため病床の一部を休床するなどで収入が減少しているという一面もあり、 看護師や医師の確保、 モチベーションアップを図るのが優先としている。