中国の深刻な大気汚染により、日本への影響が懸念されている微小粒子状物質(PM2・5)について県は、県内の測定結果を公表することを決め、12日からホームページへの掲載を開始した。
 中国は10日の「春節」で、花火や爆竹が大量に使用され、車の排気ガスや工場の煙などに加えて大気環境がさらに悪化。北京市内では、日本の環境基準の23倍もの数値を観測した地域もあるといわれる。
 日本もこれらの報道を受けて、国民の大気環境への関心が高まっており、環境省が全国のリアルタイムの大気汚染物質測定値を公開しているシステム「そらまめ君」へのアクセスが集中。ここ数日はつながりにくい状態にあることから、和歌山県もホームページで毎日の1時間ごとの測定値(速報値)を公表することにした。
 県内の測定機器は海南市日方の市役所屋上に設置されており、12日より過去1カ月のデータをみても、一日平均の環境基準(1立方㍍当たり35マイクロ㌘)を超えた日はなし。県環境管理課は「九州など西日本の一部の都市で環境基準を超えたという報道があるが、和歌山県内はこの冬、例年に比べて急上昇しているという傾向はない。今回の公表もあくまで、環境省のそらまめ君がつながりにくいという状況を受けてのもの」と話している。