市は第4次総合計画実施計画の中で、 平成26年度から市内防災行政無線放送施設のデジタル化事業をスタートさせる計画を盛り込んだ。 既設の放送施設はアナログで、 デジタル化することで一層聞こえやすくなるなどのメリットがある。 さらにこの機会に難聴地区についてあらためて実態調査して改善する予定。 概算で7、 8億円もの事業費が見込まれるが、 大規模地震の発生が予想される中で、 心強い味方となりそうだ。
 防災行政無線は災害情報や各種イベントのお知らせなどを市民に伝える設備で、 市役所に放送内容を発信する基地局、 市消防に遠隔操作盤、 市内にスピーカを備えた子局が97基 (来年2月に1基増設) ある。 テレビがアナログから地上デジタル放送になったのと同じで、 防災行政無線もデジタル化することで音がクリアになるほか、 チャンネル数が増えることで子局の増設、 相互通信、 パソコン対応などができるようになる。 さらに国がデジタル化を推奨していることもあって、 国の予算補助率がアナログに比べてデジタルの方が高いため、 今後の整備には有利。 また、 市が基地局を整備したのは10年以上前で、 そろそろ耐用年数が迫っていることからこの際、 デジタルの新システムを導入する。
 まず26年度から放送が聞こえづらい地区、 二重に聞こえる地区はないかなどの実態把握や市内のどこにいくつ子局を設置すればよいのかなどを調査し、 27年度にも設計を行う。 ただ、 市は庁舎の改築を計画しているが、 改築した庁舎内にデジタル化の基地局を据えつけて新庁舎のオープンとともに運用を開始したい考え。 庁舎の改築は柏木征夫市長が 「今任期中に一定のメドをつけたい」 としているが完成時期は未定となっている。 このため防災行政無線のデジタル化の時期も見通しは立っていないが、 津波の避難所にもなる新庁舎の完成とともに新しい防災行政無線システムでもしもの場合の被害軽減につながると期待される。
 総務課によると、 アナログからデジタルにするためには基地局の新設、 子局の改修などが必要で、 予算規模が大きくなるのは仕方ないという。