気持ちよさそうに跳躍を繰り返し、膝から落ちたり、腹や腰、四つんばい、開脚で落下することも。トランポリンである。中世ヨーロッパのサーカスが起源と言われ、いまでは日本でも競技、レクリエーション、エクササイズなどで多くの人に親しまれ、オリンピックでも正式種目になった。競技種目には個人や団体、シンクロナイズドなどがあり、レクリエーションの一環でシャトルがある。
 そんなトランポリンは、この辺りではややなじみは薄いが、日高川町の中津地区は県下ナンバー1の競技先進地。演技は華麗でスピード感があふれ、見る者を魅了し続けている。旧中津村時代の昭和47年に日体大出身の女性がやりはじめ、村内で普及。平成元年の大阪ジュニア大会では中津クラブから17人が出場し、近畿各地の400人の小中学生を相手に何と5人の優勝者を出す輝かしい成績を残した。今月6、7の両日に開かれた全国シャトル競技大会では準優勝と健闘。ここ10年でも同大会の前身に当たる全国スポーツレクリエーション祭で3回優勝、近畿シャトル競技大会でもジュニアが1回、一般が4回優勝を飾るなど長年にわたり全国有数の実力と実績を誇る。
 現在、中津クラブでは、ちびっ子から大人まで約30人が取り組んでいる。中津クラブなどでしているシャトルと本格的な競技とは器具の大きさにはじまり、トレーニング方法など根本的に違うようで、競技選手になるには県内に練習場所や指導者が少ないことなどハードルは高い。そんな中でもいつの日か、中津クラブから日々の取り組みをきっかけに本格的に志す選手が出ることを願いたい。明日の廣田遥、伊藤正樹を目指して。    (昌)