2選を無投票で飾ったみなべ町の小谷芳正町長(63)は、3日に行われた訓示式で今後の事業計画や抱負を語った。防災については、南海トラフの巨大地震対策として「海岸部の保育所を高台に移転」、昨年の台風12号被害の教訓を生かして「災害時の孤立集落解消へ県の道路整備事業に協力」などと述べた。産業面では1次産業の振興について「最小経費で最大効果が上げられるように頑張ってもらいたい」と職員に協力を求めた。
 防災面については「南海トラフの被害想定が大きく変わった。標高の低い場所にある保育所は、統合させて高台へ移転させることを考えている。また、震災では溜め池の決壊が発生する恐れがあり、早急に点検していきたい」と説明。山間部の防災対策では「清川と田辺を結ぶ県道芳養清川線の改良に県が平成29年度までの完成を目指して事業化してくれる構想だが、道路整備が充実すれば孤立集落の発生がなくなる。町としても用地の交渉などをスムーズに行えるように支援していきたい」との考えを示した。町民の健康づくりについては「本年度は、商工会のみすきぃカードのポイントを健康診断に使えるようにする取り組みを行っている。今後も住民が受診しやすいシステムを考ていきたい」と述べた。教育環境の整備については岩代小学校のプールを取り上げ、「校舎から離れた位置にあるため、45分の授業時間のうち30分が移動時間に取られる。近くに設置できればと思っている」と話した。梅については「県と連携して、梅の疲労回復効果をスポーツ面に活用できることをPRし、販路拡大を進めたい。そのためにも今後、日本体育大学と連携して研究していく」、備長炭では「床や天井、壁などの建材に備長炭を利用すると神経痛が治るという話を聞いたことがある。現在は手探りの状態だが、健康面との関連を調べていきたい」、水産業については「瞬間冷凍できて鮮度を保てるキャス冷凍を取り入れ、大量に魚がとれた時に一時保存できるような仕組みを進めたい」など具体策を述べ、振興へ意欲をみせた。