定数14に対して15人(現職9人、新人6人)が立候補、1人超過の少数激戦を繰り広げているみなべ町議選は早くも中盤入り。序盤戦は現職陣営が前回票の死守に全力を挙げ、新人が切り崩しにかかった。当選ラインについては「過去2回の議員選を参考にすると、400~450票になりそう」という声が多い。戦いは中盤から終盤にかけさらにヒートアップしてきそう。
 24日現在の有権者数は1万1254人(男5301人、女5953人)で、単純に前回投票率の77・97%を掛けると8774票、候補者の15人で平均すると1人585票。上位は平均よりも多く得票するため当選ラインは400~450票程度とみられる。前回の平成20年には定数14に対して今回と同じく15人が出馬し、最下位当選者の得票は338票。前々回の16年には定数16に対して20人が出馬、最下位当選者の得票数は433票だった。上位の得票しだいで当選ラインは変動するが、陣営の中には「トップが前回ほど得票するのは難しいのでは。上位と下位の票差が縮まるのではないか」という見方もある。
 序盤戦の戦いぶりをみると、初日はほとんどの候補者が町内全域を街宣。草の根運動も活発に展開し、知人や血縁などのつながりを利用してのアプローチもかけていた。現職陣営、現職の後継者的な立場で地盤を引き継いだ新人は前回票を死守し、さらに上乗せに懸命。地元地区からの組織的な後押しのない新人は切り崩しにかかっていた。特に現職の引退で候補者のいない晩稲・熊岡地区(約1000票)の大票田は草刈り場。後継者的な新人を立てずに引退表明した地元晩稲の寺本文雄議員の前回票477票を狙って激しい食い合いを展開。やはり後継者のいない芝の宮﨑常二議員の前回票338票、前回落選した西本庄の園出俊明氏の334票の行方も注目されている。一方、住民らは白熱する選挙戦とは対象的に「これと言って目新しい訴えがない。政治にあまり関心がない」と盛り上がりに欠け、陣営の中には「低調ムードで投票率が下がるのではないか」と心配する声も上がっている。