早いものでことしも残りわずか。全国的に1年間の大きなニュースは3月の東日本大震災と福島原発事故、さらに9月には本県にも甚大な被害をもたらした台風12号の襲来。多くの尊い命も奪われており、表現しきれないが、悲惨な年だった。そんな中でも「なでしこジャパン」のワールドカップ優勝など明るい話題もあり、国民に元気や勇気を与えてくれた。
 筆者の担当している御坊市では、ことし1月に市議選があり、定数14人に対して3人超過の大激戦を繰り広げた。当選は新人4人、現職10人。新人の中には30、40代の若い世代もおり、議会の一層の活性化も図れているのではないだろうか。また、4月には県議選があり、市部は自民党現職と民主党新人の一騎打ちで24年ぶりの選挙戦に突入。大変な運動をされた支持者にはしかられるかもしれないが、政治への関心を高め地域を活性化させるために選挙戦になったのはよかったと思う。個人的には10月に中国重慶市へ同行取材したのも大きなニュース。同市のすさまじい発展ぶり
に「百聞は一見にしかず」をあらためて実感した。
 このほかにもさまざまなニュースがあったが、記憶に鮮明に残るのはやはり台風12号。市内でも日高川ふれあい水辺公園が壊滅し、今後の河床整備など大きな課題を残している。しかし、考えてみれば被害の中から得た教訓も多い。筆者は①ダムの放流②日高川堤防の強化③行政の避難誘導・住民の自主避難のあり方が重要な点だと思う。
 そして何より、被災地のボランティア活動などで地域の「絆(きずな)」を最確認できたのが大きな財産。ことしも悲喜こもごもいろんなことがあったが、この絆が日高地方発展の大きな力になると確信している。    (吉)