自民党は4日、党紀委員会を開き、派閥の政治資金規正法違反事件に関係した安倍派(清和政策研究会)、二階派(志帥会)の議員ら39人の処分を決定。参院安倍派会長だった世耕弘成前参院幹事長(61)には離党勧告が出され、世耕氏はこの日のうちに離党届を提出、受理された。一方、二階派トップの二階俊博元幹事長(85)はすでに次期衆院選への不出馬を表明して政治責任を果たしたとし、処分対象から外れた。

 処分対象は政治資金収支報告書への不記載額が500万円以上の議員ら。世耕氏とともに安倍派座長だった塩谷立元文部科学大臣は最も重い除名に次ぐ離党勧告。党員資格停止は3人おり、停止期間は下村博文元政調会長と西村康稔前経済産業大臣が1年、高木毅前国体委員長は6カ月。党の役職停止と戒告が各17人となった。岸田文雄首相は処分なし。

 世耕氏は1998年11月、参院和歌山県選挙区から出馬して初当選、現在5期目。2012年12月から第2次安倍内閣で官房副長官、16年8月から経済産業大臣を歴任。参院幹事長は19年9月から務めており、昨年10月の岸田内閣発足後も続投していたが、政治資金問題で昨年12月に幹事長を辞任していた。

 離党届提出後の会見では「国民に大変大きな政治不信を抱かせることになり、心より深くお詫びしたい。断腸の思いだが、参院清風会会長であった私が政治的責任を取って離党することを決断した」と説明。自身が還付の決定に関与したことはないとあらためて強調し、今回の事件に関する説明責任は十分果たしたとの認識も示した。

 議員辞職は「今後も国のため、地元和歌山のため、一人の議員として汗をかきたい」として否定、かねて意欲を示していた衆議院へのくら替えについては「一日一日、議員活動を懸命に務めていくということに尽きる」と述べるにとどめた。