ハーブ園で咲いているイチハツ(手前)やアヤメ

 ハーブの会日高川(渋田修一会長)が管理している日高川町高津尾、温泉館「鳴滝」近くのハーブ園が、メンバー高齢化のため6月頃に閉園と決まった。今植えられている植物の花の時期が終わりしだい園の管理を終了。現在は、アヤメ類のコレクションが見ごろを迎えている。

 同会は2009年頃から活動しており、ハーブ園では食用にできるパンジーやビオラ、各種ハーブなどを育ててきた。そのほか高津尾に整備されていたあやめ公園の世話にも携わっていたが、ある時から花がみられなくなったのを会員らが残念に思い、2022年1月、園の一角でアヤメ類のコレクションを計画。「町内で花が楽しめるように」と、12年前に和歌山市から入会した畔柳(あぜやぎ)久太郎さん(72)が中心となって栽培を始めた。各地で購入したり、知人に譲り受けたりして集め、寒咲アヤメ、シベリアアヤメ、白のシベリアアヤメ、イチハツ、シャガ、ニオイエリス、ジャーマンアイリス、球根アイリス、ハナショウブ、キショウブ、ノハナショウブ、ヒオウギ、カキツバタ、エヒメアヤメ、ヒオウギアヤメの15種類がある。2月に早咲きの寒咲アヤメが開花。今月中旬からイチハツ、アヤメなどが咲き始めた。つぼみも数多く、これからが見ごろとなる。閉園後、アヤメ類は御坊市のとびやま花しょうぶ園(浅井了二園長)に託す予定。ノハナショウブを提供するなど協力したとびやま花しょうぶ園中心メンバー片岡やゑ子さん(75)=御坊市野口=は、「いつもいろいろなお花が咲いており、よく訪れては感心して眺めていたので閉園は残念です。大切にお世話させていただきます」と話している。

 現在はアヤメ類のほかにも、ルピナスやシラン、セキチクなど春の花が多彩に咲いている。同会では「閉園前に、多くの人に花を楽しんでもらえれば」と精を出して世話している。園の門は簡単な戸締まりをしているが、見たあと元通りに閉めれば誰でも自由に入って観賞できる。