久留米町長に校旗を返納する西山さん

 今年度末で廃校となる日高川町の寒川第一小学校(高台浩校長)で26日、閉校式が行われ、児童や保護者、地域住民ら約200人が思い出の学び舎に別れを告げ、1875年(明治8)の開校以来、149年の歴史に幕を下ろした。4月からは川原河、笠松との3小学校が統合し、現川原河小学校に新しい美山小学校が誕生する。式では校旗が町に返納され、最後の校歌が流れた。

 寒川西の川地区の有志が同地に学校を作り、1875年に開校。翌年には校舎が移転し、寒川村落小学校となった。その後、寒川村第一尋常小学校などと名前が変わり、1947年に寒川第一小学校となった。1889年8月の大水害では校舎が水没し、3年間閉校となるなどの苦難を乗り越え、2413人の卒業生を送り出した。

 式で久留米啓史町長は「かけがえのない寒川第一小学校が閉校することは言葉では言い表せない寂しさだが、きょうまでの輝かしい歴史や伝統は新しい美山小学校に受け継がれる。在校生の皆さんは新しい美山小学校で夢と希望を持っていろんなことにチャレンジしてください」と式辞。高台校長は先人に感謝のうえ、「明るく元気で素直な児童ばかりだった。学校がなくなることは辛いことですが、地域の文化に触れながら皆さんと一緒に過ごせたことに心から感謝しています」とあいさつ。児童を代表し、西山晴菜さん(6年)が久留米町長に校旗を手渡して返納。「蛍の光」を斉唱して締めくくった。

 式終了後、寒小太鼓の演奏、スクリーンに映し出された思い出を写真で振り返り、校歌が刻まれた記念碑も除幕された。 

 1953年度に卒業した寒川東洋子さん(83)=初湯川=は「小学校まで6㌔の道のりを歩いて通い、冬は箱火鉢で暖をとりました。子ども時代を過ごした学校がなくなるのはとても寂しいです」と感慨深げに話していた。

 笠松小学校で27日、川原河小学校で28日、それぞれ閉校式が行われる。