先日、みなべ町立中学校の適正配置に関する検討委員会の第1回会議が開かれ、教育委員会から高城中を上南部中に統合する案が示された。真っ向反対の声は一切なく、ほとんどは児童数減少やクラブ活動の実施などを理由に賛成や前向きな意見で、中には「スピード感を持って進めてほしい」と早期の統合を望む意見もあった。印象的だったのは保護者の一人が、クラブの人数が少ないため団体競技に出場できず子どもが悔しい思いをした経験から、当初統合に反対していたが、賛成に切り替わったという切実な声。スポーツは個人でできる競技もあるが、どのスポーツをするか、個人または団体戦で出場するかなど、選択肢が多い方が、子どもたちの可能性を広げ、力を伸ばせる。

 この検討委員会は3回を予定しているが、1回目の会議で統合という方向性がほぼ見えたのではないだろうか。委員以外の地域住民の中には統合に反対や不安があるかもしれないが、大きな流れで統合に向けた住民意識が高まっているように感じる。というのはここ3年間、もちろん「統合ありき」というわけではないが、地区懇談会やアンケート調査を重ね、児童、生徒数の減少に伴い「統合が必要」という思いが住民に浸透、一つのコンセンサスがすでに醸成されているのではないかと思われる。

 当然、急いては事を仕損じるということわざもあるように、慎重に進めることは大切。ただ、一定の合意が見られるならば、統合前の児童、生徒の交流を進めるとか、通学バスをどうするのかなど、よりよい統合に向けて、予定より早く一歩進んだ話し合いに切り替えていってもいいのではないだろうか。(吉)