今年のゴールデンウイーク、由良町の白崎海洋公園では園内のいたるところで散策する人の姿が見られ、展望台にもひっきりなしに人が登っていた。混雑するほどでもなかったため、観光客たちは「穴場のスポットを見つけた」と楽しそうに景色を眺めていた。

 筆者は旅行などに出かけた際は、できるだけ置物など残る物を買うようにしている。京都ならキンキラの金閣寺の置物に「京都」と書いたベタなものなど。「こういうのを誰が買うのだろう?」と思っていた時期もあったが、記念になる物を買って身近に飾っておくことで、旅行のことをいつまでも記憶にとどめておけることに気付いてからはそうしている。新婚旅行のハワイで買ったフラワーレイを頭に乗せた子どもの人形や、マスコミ向け招待旅行で行ったタイの木製のゾウなど、いかにもというようなものだが、見るたびにそれらの商品を買ったときのことも思い出せ、また行ってみたいとも思えてくる。土産物にはこういう旅の記憶を蘇らせ、再び足を運びたいと思わせる魅力がある。

 土産は自分用でなく、人に贈ることも多いだろう。由良町の鉄工業者が、町の新たな土産品として現役海上自衛官監修の潜水艦カレー(レトルト)と白崎の風景をプリントしたクッキーの発売を開始した。由良町ではみかんなどが土産として人気だが、「いかにも由良町に行ってきた」という土産は少ないという。そんな中、これらの商品はパッケージに由良の景色を全面に描き、由良感が満載となっている。

 由良の土産にはほかにブルーカレーなどもあり、それらとともに2つの商品が由良を代表する土産に成長することを願うとともに、今後も新たな土産物が誕生することに期待したい。(城)