みなべ町立中学校の適正配置に関する検討委員会の第1回会議が27日開かれ、教育委員会から高城中を上南部中に統合する案が示された。委員からは生徒数減少やクラブ活動の実施などを理由に賛成や前向きな意見が相次ぎ、反対の声はなし。委員会は今回含めて3回を予定しているが、事実上、統合の方向に大きく舵を切ったと言えそうだ。

 教委などによると、3年前から地区懇談会を開き中学校の適正配置を検討しており、2021年度の保護者アンケートでは7割、22年度の保護者と地区住民のアンケでは8割が統合に肯定的。今年3月、町総合教育会議で高城中と上南部中の統合について検討委員会を立ち上げて話し合っていくことを確認した。今年5、6月に行った3回目の保護者アンケではさらに統合への理解が深まって賛成が増えたことが報告された。井戸和彦教育長は高城中と上南部中が統合した場合、各学年が2クラスになるが、高城中では教室不足、上南部中なら現状のままで受け入れ可能であることから「統合先は上南部中を考えている」と説明。通学には清川から高城、上南部へ向かうバス、高城の熊瀬川などを通るバスの2本を検討していることも明らかにした。

 清川、高城、上南部の地区や保護者代表の委員からは「生徒数が多い中で育ってほしいので統合は大賛成」「スピード感を持って進めてほしい」「清川、高城からの交通手段をきちんとしてくれれば統合すべき」など。保護者の中には当初統合に反対していたが、子どもがクラブ活動の団体戦に出場できず悔しい経験をしたことから統合賛成に切り替わったという人もいた。一部には「賛成が多いからすぐゴーではなく、反対の人にも納得してもらってから統合を」と慎重な意見もあったが、真っ向反対の意見はなかった。次回委員会は9月下旬。3回目で統合の方向性が確認されれば、統合推進委員会を立ち上げていく。検討委員会では委員長に上村浩平氏(中央公民館長・元中学校長)、副委員長に細川庄三氏(評価委員・社会教育委員)が選出された。