任期満了に伴う御坊市長選が19日告示され、現職の三浦源吾氏(64)=島・1期目=と新人の山本譲一氏(62)=薗=が立候補。26日の投開票まで7日間の舌戦がスタートした。2016年以来、8年ぶりの選挙戦となり、三浦氏は「健康で、明るく、楽しく、前向きに、笑顔あふれるまちづくり」の継続・発展、山本氏は「腐敗政治を打破し、市民目線の行政を実現」を掲げ、雨の中、力強く第一声を放った。

三浦陣営の出陣式は島の選挙事務所で行われ、支持者ら約300人(主催者発表)が参集。吉田擴後援会長がコロナ禍の中での新庁舎建設、東洋経済住みよさランキングの飛躍(23年は30位)などの実績を紹介し、「どうか力強いご支援を」とあいさつ。来賓の岸本周平知事、世耕弘成・鶴保庸介の両参議院議員、二階俊博衆議院議員秘書の二階俊樹氏も共闘を誓った。
三浦氏は市政運営への市民の協力と理解に感謝したうえで、「1期目の3年半あまりはコロナ禍の中にあり、道半ばどころか、(コロナが5類に移行した)昨年5月からやっと一歩踏み出したばかり」と説明。ふるさと御坊のまちづくりについては「一人でも多くの市民がふるさとに自信と誇りと愛着を持っていただき、『生まれて、住んでよかったまち、御坊』『誰もが住みたいまち、御坊』の実現がマニフェストの究極の目的」とし、「ATM(明るく、楽しく、前向きに仕事)を信条に使命感と責任感、そして正義感の3つを忘れず、一生ただ一度、だから精いっぱい、何があっても逃げない、引かない、驚かない、冷静な頭と熱い心で頑張ります」と力強く決意した。ガンバローコールで必勝を期し、街宣に繰り出した。

山本陣営は湯川町財部のオークワロマンシティ前交差点で街頭演説を行い、山本氏が自民党の政治資金規正法違反事件が連日報道され、全国紙の世論調査で「問題の実態が解明されていない」との回答が92%にも上ったことを取り上げ、「この数値がいまの国民の政治不信を表しているのではないか」と指摘。自身が3年前に和歌山環境保全団体を立ち上げて役所に出入りするようになって以降、「行政がらみの不法投棄や日高川町の官製談合事件、市新庁舎や避難タワーの不透明な入札・契約の実態が明るみになった。一連の腐敗政治発覚を受け、立候補を決意した」と述べた。
今回の選挙については「市長と議会との馴れ合いの三浦市政か、腐敗政治を打破し市民目線を取り戻す山本市政かの選挙」とし、公約に公共工事の見直し是正、子育て支援、福祉の充実、地元業者の育成、市民税・事業税の減額、市長給料半額・退職金ゼロを掲げ、「どうか皆さまの信任を」などと訴えた。選挙参謀で地球環境問題会議議長の堂村慎太郎氏(77)もマイクを手にし、「選挙は全くの素人だが、自分たちのまちを建て直すため、一緒に頑張る山本譲一をよろしくお願いします」と声を張り上げた。