本殿で大幣を振るおとう

 御坊市塩屋町南塩屋の須佐神社(小竹伸和宮司)で12日、日高路に春の訪れを告げるおとう祭が行われ、子どもが大幣を振って氏子の平安や豊作、大漁を祈願した。

 1969年に市無形文化財、85年に県無形文化財に指定。コロナの影響で2020年から簡素化して行われたが、今年は4年ぶりに本来の流れで営まれた。

 おとうは氏子の5地区から15歳以下の男の子が選ばれ、今年は南谷地区が弓倉周悟君(4)、森岡地区が西岡永真君(7)、南塩屋地区が中江翔大君(8)が務めた。少子化の影響で切山地区は区長の中出均さん(67)、明神川地区は山崎史朗さん(73)が代役となった。

 おとう(男の子)は神社の鳥居から駕籠(かご)に乗り、榊持ち、太刀持ちらを従えて社務所に参集。修祓の儀、長床の儀、白洲の儀の神事が執り行われた後、本殿でおとうが約2㍍の大幣を振り、世話人が後ろから洗米(ハナガラ)をまいて平安を祈願。玉串をささげた。

 境内では湯にかかると厄が祓われるという湯立て行事も行われ、小竹宮司が大釜で沸かした湯を笹竹で振りまき、最後は厄除けと豊作を祈願した餅まきが行われた。