みなべ町などが申請していた、コラーゲンに関連する梅の皮膚老化予防効果に対する特許が認められた。梅に含まれる成分が、皮膚の弾力性や張りを保つうえで重要なコラーゲンを分解してしまう酵素の働きを阻害する仕組み。ここ数年、町特産の梅は消費低迷が深刻化しており、新たに美容と健康面での効能にお墨付きを得たことで、消費拡大への期待がかかる。

 梅の老化予防効果に関する研究は、町から委託を受けた和歌山高専が行った。老化に伴うしわやたるみの発生原因の一つとされるのがコラーゲンの減少。加齢によるコラーゲンの減少は、コラーゲンを分解する酵素コラゲナーゼの増加が要因とされており、梅の成分がコラゲナーゼの活性を阻害するのかどうかを研究。梅に含まれるポリフェノールの一種「trans ̄クマル酸」がコラゲナーゼ阻害物質であることを見いだした。

 特許出願は2021年3月、みなべ町、県立医科大学、大阪河﨑リハビリテーション大学の連名で申請。今年2月14日付で特許が認められたとする「特許査定」の通知が来ており、すでに町は特許料を納付、近く特許証が送られてくる。小谷芳正町長が2日の議会で報告し、「梅の効能を世界中に発信していくとともに、これまで以上に関心を持っていただけるようPRしたい」と述べた。

 町が持つ梅に関する特許は、胃に障害を及ぼすヘリコバクターピロリ菌の運動能力を阻害または抑制する成分(08年2月取得)、血糖値の上昇や肥満等に関連づけられた酵素「α―グルコシダーゼ」の働きを阻害する成分(09年12月取得)に続き3件目。このほか、特許はないが、梅には抗腫瘍効果やインフルエンザ・新型コロナウイルス抑制などの効能も確認されている。