地図上で被害状況を確認する職員

 御坊市は18日、中央公民館で南海トラフ地震を想定した災害対策本部設営訓練を初めて実施し、大震災発生直後の初動体制などを確認した。職員40人が参加し、被害の情報収集や対応などを実施。問題点や課題を把握し、危機管理意識の向上を図った。

 同日午前8時30分に紀伊水道で大地震が発生したという想定で、震源の深さは18㌔、マグニチュードは5・4、御坊市の震度は5弱。一部家屋の損傷やブロック塀の倒壊などが発生したほか、一部の通信機能が寸断し、電力、水道などの施設機能がまひ状態となった。

 訓練では発生後から職員が次々と災害対策本部を設営する中央公民館に参集。課長級の職員らが携帯電話のチャットツールで参集していない職員の安否確認を行うとともに、参集が可能かどうかについての状況も確認した。

 本部には被害情報が次々に入り、ホワイトボードには「市立体育館の屋根が破損」「王子橋が崩落」「野口橋の水道管が破裂」「野島でブロック塀倒壊」などと書き込まれ、地図上にも被害状況が書かれた付箋を付けて確認した。

 災害対応で組織されている厚生救助部、避難部、調査復旧部などの会議が開かれ、給水車の要請、通行止めの対応、避難所の開設などの対策を検討した。
 本部長の三浦源吾市長は「市民の命を守ることが何より大事。情報を収集し、関連機関と連携をとりながら迅速、的確に対応できるかが災害発生時に重要になる」と講評した。