県内唯一の女性首長が美浜町長選で再選を果たした。全国では1947年4月の第1回統一地方選挙以降、都道府県知事に就任した女性はまだ7人。4分の1の都道府県では、一度も女性の市町村首長が誕生していないという。

 男女共同参画社会という言葉を聞くようになって久しく、以前勤めていた大阪の会社では女性社員を対象にダイバーシティー(多様性)研修なども行われ、女性管理職の育成体制が整えられていた。管理職は男性が多かったが、実際に働く現場では営業職だったこともあり、仕事内容や給与などで男女差別を感じたこともなく、個人的には女性であることで悔しい思いもせずに生活してきた。そのため、「女性の参画拡大」や「女性が活躍する社会」を目標に掲げられると、男女平等より女性が優遇されているように感じてしまうが、これも根強い男性社会の考え方なのかもしれない。

 男女共同参画の基本方針の中に「女性に対するあらゆる暴力の根絶」がある。元自衛官の女性が、所属部隊で日常的に複数の男性隊員からセクハラを受けていたことを訴える報道のひとつに、加害男性3人の弁護士から「個人責任を問われるか疑問があるが」とした上で、謝罪の意思を表す1人約30万円の示談金を提示された話があった。セクハラ自体も許せない行為だが、この一言に強い怒りを感じ、業種や環境など生きる世界によってはまだまだ、女性であるが故に、辛く、憤りを感じながら生活している人も多いことを実感。 法律で守られないと男性と同じでいられないことに愕然とした。

 男性だから、女性だからというのではなく、誰もが目指したいもの、頑張りたいことに挑戦し、虐げられることなく、充実して暮らせれば。(陽)