今年は統一地方選の年。日高地方では早くもトップを切って御坊市議選が真っただ中。2月には日高町議、美浜町議、由良町議と3週連続で選挙が投開票される。市議選は1人超過の選挙戦に突入したが、3町はともに、つい先日行われた立候補予定者説明会に定数を超える陣営は出席しておらず、現時点で無投票ムードが漂っている。筆者が担当する美浜町にあっては、定数10に対して出席は現職8陣営のみ。定数割れの状態で、このまま告示日を迎えて立候補者が8人のままなら、50日以内に補欠選挙を行わなければならない。

 低調はなにもこの地方に限ったことではない。全国的に地方議員のなり手不足は大きな課題の一つだ。それは町や村の規模が小さいほど顕著と指摘されている。人口が少なくなればなり手が少なるのは当然といえばそう。人口減少とともに議員定数も段々と減り、選挙の投票率も年々下がっているのは関心の薄さの表れといえる。要因はさまざまあるだろう。県議や市会議員に比べて報酬が格段に安く若い人が出やすい環境とはいえない、不景気にコロナ禍が追い打ちをかけ、自分たちの生活のことで精いっぱいでまちのことを考える余裕がない、など考えられことはたくさんある。

 告示までまだ日はあり、3町とも最終的には選挙戦になったとしても、将来のことも踏まえて選挙の在り方を見直す必要があるのかもしれない。定数や報酬額、何より会社勤めの人が出るためには事業所の理解も必要。せめて志のある人が出やすい環境を整えることが必要だと感じる。議会の中だけでなく、住民や事業所を巻き込んだ社会全体での議論が必要だ。(片)