今年は4期16年間務めた仁坂吉伸知事が引退し、岸本周平新知事が誕生した。岸本さんに対しては野党時代から他の与党の県選出国会議員と同じような政治の考え方を持っていたと感じるので、知事就任は歓迎だ。

 それにしても岸本さんの選挙に向けては自民党の推薦を巡って紆余曲折があり、正直ハラハラした。特にあわや県を二分する戦いと思われた岸本さんVS総務省官僚の構図は、衆議院議員の二階俊博さんと、衆議院へのくら替えを目指す参議院議員の世耕弘成さんとの代理戦争になるのではとも言われた。個人的にはかつて3区であったような二階さん、野田実さんのような地域を分断するような選挙はいかがかと思う。もちろん民主主義の根幹をなす選挙の必要性、大切さは分かっているが、半面、有権者の間にはしこりが根強く残り、それが地域発展のためによいのか、足の引っ張り合いになりはしないのか。また、地域が一丸となって支援を受けた国会議員の方が、後ろ盾の大きさから中央政界での発言力が強まることも事実。ひいては国の施策や補助金を引っ張ってくるにはものを言う。そういった意味では戦いを回避し、すみ分け、またはスムーズなバトンタッチはできないものだろうか。世耕さんは将来的に衆院にくら替えし、首相を目指す考えを公言。遅かれ早かれその時はやって来るはずで、記者としては公平、公正な報道を貫くのみ。

 いずれにしても来年は統一地方選、そして4月に衆議院和歌山1区の選挙もあり、アフターコロナの中で大きな転換期を迎える。岸本新知事の手腕に期待しつつ、県民一丸となって県勢浮揚へいざ出陣。(吉)