中継ポンプ制御盤を点検する職員(埴田地内)

 みなべ町内の公共下水道中継ポンプ制御盤に原因不明の通信障害が発生し、通常ではありえない高額な通信料が町にかかっていることが分かった。

 生活環境課によると、町内には汚水をくみ上げるための中継ポンプ施設が113基あり、それぞれ運転用の制御盤を設置。ポンプの水位や停電などの異常が発生した際には、職員やメーカーの携帯電話に無線で警報メールが届くシステムになっており、基本料金と使った分の通信料がかかっている。

 毎月のシステム使用料は全体で7万円程度だが、今年3月に47万円の請求があったことで問題が発覚。点検したところ、制御盤から警報メールの通信が職員の携帯に送られ続ける状態を5基で確認。検査しても原因は特定できず、4月にも5基の通信障害で155万円(メーカーとの協議で一部減額)の請求があった。

 町はサイバー攻撃の可能性もあるとして、アクセスパスワードや初期設定を変更。5月から8月までは毎月1基の通信障害で十数万円の請求にとどまっているが、それでも完全に収まらない状態が続いている。通信障害は芝と埴田地内の制御盤に集中している。

 今回、制御盤から通信を送った状態が確認されたが、職員らの携帯に警報メールは届いておらず、高額請求が来るまで発見が遅れた。通信障害は電源を一度オフにすれば解除できることが分かったため、現在は毎日職員が一日の通信料が急上昇する制御盤をチェックして対処している。

 町は制御盤の通信装置を全て買い替える方針。先の9月議会では町が問題の詳細を明らかにし、下水道事業会計補正予算として34基分の交換費510万円が承認された。来年度以降も順次交換。通信費の上限を設けた契約にも切り替える。

 大野弘人課長は「通信装置は更新時期にきていたため無駄な出費にはならないが、本来の警報の連絡が役に立たないような事態が起きても大変。まさかみなべ町がサイバー攻撃されるとも思えないのだが…」と頭を抱えている。