京都外大生が制作したVR展示コーナーも

 美浜町三尾のカナダミュージアムで7日から、日系カナダ人コミュニティの中心人物として活躍した村尾敏夫さんにスポットを当てた「日本とカナダで生き抜いた100年~村尾敏夫展~」が始まった。

 企画したのは、東京大学大学院農学生命科学研究科農業資源経済学専攻修士1年で三尾でカナダ移民について調査している岩永淳志さん(23)。1920年、三尾出身でカナダに移住した父母のもとで生まれた村尾さん。戦中の強制収容、戦後の混乱など苦難を経験しながら、サケやニシンの漁師として明るく生きた笑顔の人生がパネルでよみがえっている。多くの孫に囲まれたり、パーティーの様子、1年で150日は楽しんでいたゲートボールをプレーする姿などがずらりと並んでいる。

 三尾でフィールドワークを行っている京都外国語大学4年生の出口隼大さん(22)、久後京香さん(22)、中山祐依さん(21)の3人が協力して作成した村尾さんゆかりのカナダの地を映像や音声で観ることができるVR展示コーナーも。村尾さんが生まれた場所や働いていた缶詰工場など約50ポイントを3D画像で巡れるようにしている。3人は「村尾さんの歴史を口頭では伝えるのが難しい部分を、デジタル画像で観て、心の中に残してほしい」と願いを込めた。岩永さんは「地元の人、村尾さんの親族、外大生ら関わってくれた人の努力や歴史の積み重ねの上に実現できた展示会。一人でも多くの人に見てもらいたい」と来館を呼びかけている。

 12月28日まで。入館料150円。毎週火曜は閉館。