協定書を手に、笑顔の呉CEO(左から2人目)と仁坂知事ら

 県は1日、ホテル運営管理システムなどを手掛ける台湾のITベンチャー企業、敦謙國際智能科技股份(どんけんこくさいちのうかぎこふん)有限公司と進出協定を締結した。同社は今後、和歌山市にシステム開発拠点を設立し、宿泊施設のスマートホテル化やコンサルティング事業を目指す。

 同社は7年前の2015年に設立。高度なITスキルを用い、宿泊の予約や部屋割り、精算などを自動処理できる独自システムを開発している。ほぼ無人で宿泊施設を運営できるため、非接触による新型コロナ感染症拡大防止や人手不足の解消が期待されている。また、台湾初の無人化ホテルも手掛け、現在、グループ直営のホテルは43軒、計3107室を有する。

 県庁知事室で行われた調印式には、仁坂吉伸知事や同社の呉秉庭(ご・へいてい)総経理(CEO)らが出席。 仁坂知事は「システムやITに秀でたカンパニーはこれから発展していく。和歌山への進出は心から喜ばしい」と歓迎。呉CEOは「長年積み上げてきたスマート先端技術と日本の素晴らしい接客サービスを融合させ、喜んでもらえる宿泊体験を提供し、観光地を再び盛り上げていきたい」と語った。

 同社は和歌山市吉田のNagomi Lab.を拠点として日本法人「ドンケン・テクノロジーズ株式会社」を設立。現地調査や市場調査を行った後、来年5月をめどに本格オフィスを設置し、操業を開始する。今後3年間で地元採用17人を含む、正社員20人の雇用を予定しているという。