気迫の投球を披露した塩路選手
堅実な守備で貢献した山田選手
2試合に登板して無失点の濵口選手

 第104回全国高校野球選手権和歌山大会は29日、紀三井寺公園野球場で決勝が行われ、智弁和歌山が桐蔭を7―2で下して5大会連続26回目の優勝を飾った。本紙エリア関係では、決勝で智弁のエース塩路柊季投手(3年・河南中出身・紀州由良リトルシニアOB)が完投、2ランを放つなど投打に大活躍。山田久敬遊撃手(同・湯川中・日高ボーイズ/マリナーズOB)も堅実な守備で甲子園切符獲得に貢献した。

 ◇決勝
智弁和歌山
010001050 7
000000110 2
桐蔭

 今大会は2回戦と準々決勝の2試合に先発して失点0の塩路は、決勝のマウンドでも躍動。走者を背負いながらも140㌔台のストレートとキレのある変化球で要所を締めて6回までゼロ封。7回には3安打で1失点、8回には犠飛で1点献上したが、気迫の124球を投げ込み、試合を作った。打っては1点差に迫られた直後の8回、1死二塁から左越え2ランを放り込んだ。中谷仁監督から「これぞエースという投球を見せてくれた」との言葉があったが、「追い込んでから変化球が甘くなって打たれたり、後半にキレが悪くなり、修正点が多々あった」と大舞台へ気を引き締め直し、「ホームランは気持ちよかった。甲子園では全員で連覇を成し遂げたい」と闘志を燃やした。
 山田は守備の要として存在感を発揮。今大会全試合に出場し、無失策と持ち味を発揮した。決勝では1点差に迫られる右前適時打を右翼手との抜群の連携で一走を二塁でアウトにする好プレーで塩路を助け、この回1失点で切り抜けた。「自分はしっかり守るのが役割。7回のプレーは普段練習していたわけではないが、常にあらゆる想定をして守備についているので、練習のたまもの」と胸を張り、「甲子園では守備で貢献したい。両親への感謝の気持ちを込めてプレーしたい」とこぶしを握った。
 本紙エリア勢では、濵口凌輔投手(2年・松洋中・日高マリナーズOB)が決勝での登板はなかったが、3回戦と準決勝では2番手で登板。いずれも無失点に抑え、勝利に大きく貢献した。坂尻翔聖内野手(3年・湯浅中・紀州由良リトルシニアOB)も2回戦、準々決勝、準決勝に途中出場した。湯川元君(3年・湯川中・御坊ボーイズ/ジュニアタイガースOB)は今年の春季大会以降はマネジャーとしてチームを支え、今大会は記録員としてベンチでサポートした。