先日、御坊市立体育館で国体成年女子バレー和歌山選抜チーム・和歌山クラブ主催のイベントが初めて開催された。和歌山クラブと日高高校、和歌山北高女子バレー部との合同練習会で、ゲストに2012年ロンドンオリンピック女子バレーの銅メダリスト、迫田さおりさんと中道瞳さんを招いた贅沢で貴重な時間となった。内容は既報の通りで、高校生にはいい経験になったことだろう。迫田さんや中道さんが注目されるが、和歌山クラブの選手たちの能力の高さにも驚いた。まだ知名度が高くないのがもったいない。

 和歌山クラブは、元東レ・アローズ主将の芝田安希さん(御坊市役所勤務)が2016年から監督を務める日高地方にゆかりの深いチーム。悲願の国体本選出場を目指している。メンバーは13人。18歳から34歳で構成し、大学生のほか半数以上は普段、一般企業や教諭として働いている。練習は平日1回と週末1回の週2回。平日は午後8時から日付が変わることもあるほど熱がこもる。芝田監督が大会を見に行ったりしてスカウトしてきた選手ばかりで、オール和歌山の手作りチームだ。

 先日のイベントには多くの人が来場し、初めて和歌山クラブを知った人もいた。地域とのつながりを強めたいという芝田監督の思いは多くの人に通じただろう。限られた時間を使って練習に励むチームに立ちはだかるのは、滋賀代表のVリーグ東レ・アローズや大阪の実業団チーム。毎日バレーに打ち込んでいるチームの壁は厚いが、ぜひ悲願を達成してほしい。今年も8月最終日曜日に近畿予選が行われる。応援は選手の大きな力となる。和歌山が誇る地域集団の応援の輪を広げていこう。(片)