県警がまとめた2021年の県内薬物情勢は既報の通り、薬物事犯で168人が検挙され、うち覚醒剤は100人、大麻が66人、その他2人。大麻による検挙数は過去最多だった20年に次ぐ数で、20代以下の若年層が全体の約8割を占めた。大麻の検挙数は増加傾向にあり、21年の検挙を年齢別でみると、20代が31人と最も多く、次いで未成年23人。特に若年層の増加が目立っているという。

 全国で昨年1年間に警察が大麻事件で検挙した20歳未満の少年は前年比12・1%増の994人。過去最多を更新している。昨年9月、京都府舞鶴市内の自宅に大麻を隠し持っていたとして、舞鶴高専の男子学生らが大麻取締法違反容疑で逮捕され、10月には東海大学硬式野球部部員が大麻の疑いがある薬物を使用したとして、大学が同部の無期限活動停止処分を発表。会見の様子をテレビで見て驚くとともに、非行少年から「普通」の学生やエリートまで、幅広く大麻が広がっているように思った。

 大麻は覚醒剤と比べて安価で、知り合いやインターネットを通じて手に入れるケースが多いという。乱用すれば学習能力低下や記憶障害、人格変化といった影響が出るにもかかわらず、インターネットでは「依存性はない」「有害ではない」と誤った情報が拡散。「野菜」という隠語、ブロッコリーの絵文字が使われ、売買される例も確認されている。

 また、大麻は他のさらに強い副作用や依存性のある薬物の使用の入り口となる「ゲートウェイドラッグ」の一つ。興味本位で手を出せば、一生を棒に振りかねない。正しい知識を伝えながら、保護者や教師、私たち大人が注意して見守る必要もある。

(笑)