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より本格的な避難訓練を

 地震が各地で相次いでいる。そんななか、先月、山梨県などで富士山の噴火ハザードマップ改定を受けた初の大規模実働避難訓練が行われた。最も住宅地に近い噴火口が爆発した想定で、消防団員らが高齢者らを車に乗せて小学校まで避難。しかし自動車避難による交通渋滞が発生し、シミュレーション通りにいかなかったという。


 本格的な実動訓練で上手くいかなかったケースは他にもある。2002年に鳥取県で、自衛隊なども参加して行われた国民保護訓練だ。当時の片山善博県知事が必要性を訴えて行われた。外国の特殊部隊が同県三朝町に潜入したとの想定で、住民87人を実際に避難させた。しかし特殊部隊の制圧に向かう自衛隊車両と、避難する車が同じ道を使うことが判明。同じ道を使うと敵に狙われる可能性があり、住民の安全が確保できない可能性が浮上した。


 訓練の失敗は決して悪いことではない。むしろ、本格的な実働訓練が出来たからこそ、想定外の課題をあぶり出すことが出来たのだ。


 実働でほぼ失敗に終わってしまったケースもあった。今年8月、アフガニスタンの実権を武装勢力タリバンが掌握した際、自衛隊機の派遣が遅れた。日本政府が動く以前から予兆はあったが、派遣の根拠となる自衛隊法84条の4(在外邦人等の輸送)にある、「安全に実施できること」という制約をめぐって判断が遅れたのだ。現場の自衛官が日々たゆまぬ訓練に汗を流していても、政治の判断が命を危険にさらす場合もある。


 先月、美浜町で行われた区長と議員の懇談会では、双方から津波避難訓練だけでなく避難所の運営訓練もすべきという意見も出た。訓練の実施は大変だろうが、今後に期待したい。(也)

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