写真=選手村で使われたリサイクルプラスチックのプレート

 御坊市島に本社を置く大洋化学のグループ会社、大洋技研が製造・販売する環境に優しいエコ食器が、東京2020オリンピック・パラリンピックの選手村で使われた。地元の小中学校や地域を通じて回収したペットボトルをリサイクルして作られたプラスチックの木目調プレート。選手村で好評だった日本食の乗った画像が、国内外のアスリートのSNSにアップされ、脚光を浴びた。

 大洋化学、大洋技研、大洋ユニマックの大洋グループが手がけるPET・リサイクル事業で、2003年から地元の小中学校や地域にペットボトルの回収箱を設置。年間30㌧もの回収したペットボトルを粉砕(フレーク化)、原料とし、さまざまな製品にリサイクルしている。

 エコ食器はリサイクル率80%以上。環境に優しいだけでなく、食器洗浄機や電子レンジに対応している。選手村で使われたプレートは新シリーズの木目調で、塗装は福島の会津塗。1枚につきペットボトル6~7本がリサイクルされているという。

 担当の出店実華さんらによると、東京2020大会の持続可能性でリサイクル、復興五輪で会津塗が、いずれもコンセプトにマッチし、選手村での使用に採用。昨年の納入時は関係者向けの食堂で使われると聞いていたが、今年に延期された大会の期間中、ツイッターで選手が使っているのが分かった。選手村で日本食が好評となるなか、オリンピック・フェンシングの太田雄貴選手、パラリンピック・陸上競技の山﨑晃裕選手ら国内だけでなく、世界のアスリートが発信。プレートも多くの人の目に触れるところとなった。

 これまでプレートは業務用販売だけだったが、今年4月からウェブで個人向けに発売。現在、東京オリンピック・パラリンピック選手村使用モデルとして、2枚セット2020円で限定販売している。出店さんは「大会が延期になり、どういう使われ方か情報がないなか、選手の方が使ってくれ、うれしかった。御坊や和歌山で集めたペットボトルが世界のアスリートの食を支え、大会に出場したような感覚。世界の人に触れ、使ってもらえ、よかったです」と話していた。