児童、生徒が地域の自然、文化、歴史、先人などについて学習した成果をたたえる県教育委員会の2020年度ふるさとわかやま学習大賞の受賞校が決まり、日高地方から大賞にパンフレット部門で日高附属中学校、模造紙・新聞部門で印南町の稲原中学校が選ばれた。日高附属中は「『日高大使』として日高地方の魅力を発信~日高のすすめ~」、稲原中は「ふるさとの歴史と文化を訪ねて」をテーマに学習した内容が評価された。

 県内の小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、特別支援学校を対象に募集し、模造紙・ポスター、模造紙・新聞、リーフレット、パンフレット、動画の5部門に211点の応募があり、各部門で大賞1点、全部門合わせて奨励賞10点(後日発表)が選ばれた。

 日高附属中は3年生40人が日高地方のPRへ、パンフレットやインターネットを使って取り組んだ。2年生のころから日高地方の名所や人を「日高遺産」と指定するなど、日高地方の魅力を発見する取り組みを進めており、3年生になってからは見つけた魅力を発信しようと企画。フェイスブック、インスタグラム、ツイッターの3大SNSにブログ、パンフレット作りの5つのツールを使用。各市町の歴史的名所や観光名所、商店やグルメ、祭り、特産品など、地元をPRするための情報のほか、多くの人の興味を引こうと釣りやハンドメイドなど趣味的な内容も盛り込んだ。SNSなどは定期的に投稿して情報を発信。パンフレットは合計10冊分作り、協力商店やネット上に公開してPRしている。

 稲原中は2年生16人が国語科の授業で取り組んだ内容。4班に分かれて「鰹節」「和歌山の梅」「山葵(真妻わさび)」「年の始まり(世界各地のお正月)」をテーマに学習し、縦110㌢、横80㌢の模造紙に成果を掲載。鰹節の班では文化協会の坂下緋美会長から印南漁民三人衆の話を聞き、かつお節削りも体験した。各班ではそれぞれ紙粘土で作ったかつお節やわさびなどの立体模型も模造紙に張り付けるなど、分かりやすいよう工夫した。森暢也校長は「地域の産業、文化をうまくまとめて紹介するいい作品になった。生徒の頑張りをたたえたい」、国語科の向井裕美教諭は「子どもたちが地域の歴史や文化を大切にし、次世代につないでいってくれれば」と話している。