先日、今年10月で任期を終えた美浜町地域おこし協力隊の活動報告会を取材した。

 協力隊だったのは、大阪市から移住した白濱亜聖さん。ちょうど白濱さんが協力隊になった3年前から、町が空き家対策で、県の空き家バンクの活用を開始。物件の所有者と交渉して登録物件の確保、入居希望者の問い合わせや現地案内の応対も多くの活動のひとつとなり、3年間で33軒を登録、15軒に新たな住人を迎え入れた。この実績は、空き家バンクのなかでも一目置かれるような数字で、美浜町の魅力や生活を移住者目線から伝えられる白濱さんの活躍が大きかったようだ。空き家問題は町議会と区長会の懇談会でも各区から困りごととして話題になっており、移住者が入居すれば、人口減少問題も解決して一石二鳥。もっと力を入れて取り組んでもいいのかもしれない。

 空き家問題は美浜町に限らず、全国で頭痛の種となっている。問題の1つは増加。1988年に全国で394万戸だったものが、30年後の18年には849万戸と2倍以上増加。15年に空き家とその所有者に対して市区町村が直接的な指導を行うことが可能となる空き家対策特別措置法が全面施行され、増加率は鈍化しているものの、33年には2150万戸、全住宅の3軒に1軒が空き家になるという民間予想もある。

 空き家のなかでも、倒壊の危険など、きちんと管理さていないことが2つ目の問題。所有者が高齢で自宅を離れたり、相続したが居住しておらず、手入れが行き届かないなど原因は様々。空き家状態が続けば、家も傷み、いざ利活用しようと決心するころには手遅れになることも。今は関係ないという人も自宅の将来や相続について考えてみることが必要だ。(陽)