新型コロナウイルスが広まって以降、マスクは外出時の必需品となった。数カ月前には開店前のスーパーやドラッグストアにマスクを求める人が行列をつくっていたが、今ではすっかり流通し、山積みされている様子もよく見る。

 マスクは一般的な使い捨てだけでなく、洗って何度も使えたり、スポーツ用なども出てきている。この夏、筆者は夏用の接触冷感マスクをいくつか購入したので、通常のマスクより蒸れることなく、快適に過ごすことができた。

 そんなマスクだが、東京大学が22日、実際の新型コロナウイルスを使用した実験でマスクに一定の防御効果があることが分かったと発表した。研究は人工呼吸器で人と同じように呼吸するマネキン2体を使用。一方がウイルスを飛散、一方が吸入する方と設定。吸入側だけマスクを着けた場合は、両側とも着けない場合と比べて吸入量が布で17~37%、不織布で47~50%減った。飛散側だけマスクをつけた場合では、布で57~76%、不織布で58~73%減った。双方がつければさらに高い効果が期待され、この結果からマスクは予防とともに、自身が感染した場合の飛散防止にも役立つことがわかった。

 もっともこういった研究がなくても、ほとんどの人が効果を期待して着用しているものと思うが、この研究では実際の新型コロナウイルスを使っているため、より説得力が増しただろう。ただ、マスクは確実に効果がある一方、完璧に防げるわけではないこともわかった。最近では、御坊保健所管内でも新規感染者が出ているなど、感染の危険が迫る中、マスクを着用することはもちろんだが、マスクに過信することなく密を避けるなどの対策も徹底しよう。(城)