西日本から東日本に停滞している梅雨前線の影響で、7日夜から8日朝にかけ、県内でも山間部や紀南地方を中心に断続的に大雨が降った。

 県の観測情報によると、7日夜から8日朝までに観測された最大時間雨量は、8日午前5時台を中心に日高川町小川の43㍉、由良町畑の42㍉をはじめ、日高地方各市町で30㍉以上を記録。降り始めから8日正午までの累積雨量は、日高川町小川の1103㍉、寒川の900㍉、八斗蒔の876㍉ほか、みなべ町の名ノ内広場で553㍉、印南町の川又で468㍉に上り、日高川町には土砂災害警戒情報、同町とみなべ町に避難準備・高齢者等避難開始の情報が発令されている。

 河川も増水しており、8日正午現在、日高地方では日高川の川辺、川原河の2つの観測所で氾濫注意水位、日高川の高津尾、野口橋、由良川の里の2河川3観測所で水防団待機水位を超過。椿山ダムは毎秒800立方㍍台の放流が続いている。

 県によると、この雨で新たに7日午前10時35分ごろ、有田川町内の国道法面から落石が車に当たり、運転していた63歳の男性が軽傷。道路にも影響が出ており、8日朝以降、日高川町愛川地内の県道上初湯川皆瀬線、みなべ町熊瀬川地内の県道田辺印南線が崩土のため、全面通行止め。御坊市藤田町吉田~日高川町鐘巻地内、道成寺付近の県道日高印南線は冠水、田辺市龍神村東地内の国道371号は崩土のため、一時全面通行止めとなったが、正午現在で復旧している。

 今後も梅雨前線の停滞は続き、近畿地方は9日朝までの24時間雨量が多いところで200㍉、10日朝までの48時間雨量が多いところで250~350㍉と予想されている。和歌山地方気象台は引き続き土砂災害や河川の増水、氾濫に警戒を呼びかけている。