美浜町和田の花柳妃鶴(ひづる)こと平田千鶴さん(50)の弟子で、松洋中学校2年生の澤越歩恋(ふう)さん(13)が今年3月、大阪の国立文楽劇場の舞台に立ち、師匠の師匠である花柳勲麿(いさまろ)氏と長唄「連獅子」を披露した=写真=。

 勲麿氏門下の花柳流師範らが集う4年に一度の「いさまろ会」。澤越さんは2度目のいさまろ会、3回目の文楽劇場となった今回、緊急事態宣言は出ていなかったが、新型コロナの感染が急拡大を始めたころで、感染防止対策も万全に予定通り開催された。

 連獅子は歌舞伎でもおなじみの演目で、舞踊では親子の獅子が並んでたてがみをダイナミックに振り回す毛振りはないが、その分、細かな動きや表情で感情を表すのが難しい。親獅子に千尋の谷に突き落とされ、懸命に這い上がるシーンなど見せ場もしっかり演じ切り、「緊張することなく、最初から最後まで気持ちよく踊れました」という。

 いまはコロナの影響で稽古ばかりの日が続くが、来年9月には15歳になり、名取試験も受けられるようになる。「早くコロナが終息して、またいろんな舞台に立たせてもらって、15歳になれば名取試験も頑張りたいです」と夢を話してくれた。